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こんにちは、なでしこです。
私は普段からアンチエイジングのために腸活を実践していますが、米国の医師の著書『「腸の力」であなたは変わる』を読んで参考になることが多かったのでご紹介しますね。
アンチエイジングには腸活!「腸の力であなたは変わる」から学ぶ
アンチエイジングというと美容のイメージがあるかもしれませんが、お肌のシミ・シワだけでなく「年齢を重ねても元気に過ごすことができる」ことが大事です。
人生100年時代ということは60歳以降40年も生きる可能性があるということですよね。
その40年を病気や認知症などで病院で生きるか、脳も体も健康で自由に体を動かして楽しく生きるかは自分の努力で変えることができます。
腸は第2の脳と言われており、腸内環境によって脳と体を健康にすることができるのです。
『「腸の力」であなたは変わる』 ー 一生病気にならない、脳と体が強くなる食事法
この本は米国の神経科医のデイビッド・パールマスター氏が書いたものです。
パールマスターは『「いつものパン」があなたを殺す』という著書でも有名で、最近日本でも注目されている「グルテン」の健康への影響について問題提議しています。
『「いつものパン」があなたを殺す』についてはこちらで解説しています。
本書の構成は以下のようになっています。
第1部 一生の健康を約束する「腸内フローラ」を育てなさい
第2部 腸内の細菌たちにトラブルを起こさないために
第3部 腸から脳をもっと元気にする「実践プログラム」
各部ごとに紹介しますね。
第1部 一生の健康を約束する「腸内フローラ」を育てなさい
人は誕生から死まで「細菌」とともに生きている
人は生まれるときに膣内の細菌に接触し、胎児の細菌環境が発達すると考えられています。
細菌というと悪いイメージがあるかもしれませんが、人が生きていく上で最近は大事な役目を担っています。
細菌が活躍している腸は「第2の脳」とよばれているように、腸は筋肉や免疫細胞、ホルモンをコントロールするだけでなく神経細胞も無数にあることがわかっています。
これらの細菌が脳や体にどのような影響を与えているかが説明されています。
恐るべき「炎症」ー全身が燃えている
炎症というと虫に刺されて腫れた、のどが腫れている、捻挫の痛みなど今まで様々なものを経験してきたと思います。
これらは表面的に見えるもので回復してしまえば何ということはないのですが、炎症が長引き体内に深く残れば、肥満、糖尿病、がん、うつ病、その他パーキンソン病、アルツハイマー病など様々な症状に見られるのです。
アルツハイマー病の場合、患者の脳内で起こっているのはまさに炎症です。
しかし、脳内の炎症は痛みや腫れなどの症状がみられないのでわかりにくいのです。
腸内フローラが乱れると終末糖化産物(AGEs)という物質が増え、体はこのAGEsを異物と認識し炎症を起こすのです。
それ以外にもリーキーガット(腸管からの漏れ)によって腸から体に炎症を引き起こす物質が漏れてしまうこともわかっています。
この炎症を防ぐためには腸内環境を整えておくことが大事ですね。
なぜ腸が荒れると心も不安になるのか
うつ病やADHDなどは薬で治すことはできない。
症状にはたらきかけはするが、最低限の作用しかしない。
しかし、腸内環境を改善することによって症状が改善する人が多くみられている。
いい腸内細菌が良質の眠りをもたらすという報告もあるので、良い睡眠をとって心を安定させて毎日を過ごすためには腸内環境を整えておくことが大事ですね。
腸内フローラと食欲、肥満、そして脳の驚くべき関係
腸内には「太る細菌」と「やせる細菌」がいて、「太る細菌」の比率が多いと肥満になるということは聞いたことあるのではないでしょうか。
双子の肥満した方の人から採取した腸内細菌をやせ型のマウスの移植したところ、マウスは太り始めた。
双子のやせた方からとった細菌をやせ型マウスに移植したところやせたままだったいう研究結果が有名です。
そして、肥満の人の細菌と標準体重の人の細菌には目立った差があり、肥満の人はカロリーの吸収を高める細菌が多かった報告もあります。
また、糖尿病や肥満の人は最近の種類じたいが少なかったという報告もあるようです。
この菌を食べればすぐにやせられるというわけではないようですが、腸内環境を改善していくことで肥満は改善できるようですので、良い菌をとることと食事にも気を付けたいですね。
自閉症も腸に左右されているのか
この本の著者は神経科医であるので、ほぼ毎日自閉症の患者とかかわってるそうです。
自閉症というと全てを理解するのは難しいのですが、ここではアスペルガー症候群などを含めた「自閉症スペクトラム障害(ASD)」全てを指しています。
自閉症と聞くとあまり身近に感じない方も多いかもしれません。
しかし、腸内細菌が脳の疾患と関わっていることがわかってきた現在は自閉症と腸内細菌との関りもわかってきています。
第2部 腸内細菌たちにトラブルを起こさないために
あなたの健康を破壊する「2つの悪魔」
2つの悪魔というのはちょっと怖いですね。
果糖 「砂糖の代替物」にはなりえない人口甘味料
その1つは果糖です。
果糖は果物に含まれいてる糖分のことなので「果物を食べてはいけない!」と思われるかもしれませんが、果物に含まれている果糖はそれほど多くはなくて、そのかわりビタミン、繊維などがたっぷり入っているので食べた方が良いですね。
ここで悪魔と言っているのは人工的に作られた果糖、人口甘味料のことです。
今私たちが毎日飲んでいる炭酸飲料などに入っているサッカリン、スクラロース、アステルパームなどです。
これらは自然界には存在せずコーンシロップから人工的に作られたものです。
果糖はブドウ糖などとは違って血糖値が上昇しないのですが、その理由は肝臓で代謝されてしまうからです。
肝臓にとっては巨大な負荷になり、耐糖能異常、インスリン耐性、高脂血、高血圧につながるという多くの研究結果が報告されているそうです。
果糖は腸内にも悪影響を与えるとのことなので、人工甘味料の入った飲料などは控えた方が良いですね。
グルテン 気づかないうちに致命的ダメージが
グルテンについてはこの本の著者の『「いつものパン」があなたを殺す』に詳しく書かれているのでこちらの本を参考にしてください。
グルテンは小麦などに含まれているタンパク質で、グルテンに過敏な人はセリアック病という病気になります。
ただ、過敏な人でなくても腸が炎症を起こし神経変性疾患を起こしている可能性があるようです。
パンやパスタをすぐにでもやめるというのは難しいでしょうが、将来のためにもできれば白米、玄米などに切り替えていくと良いかもしれませんね。
特に原因がわからない頭痛、不安症、うつ病などの症状がある方はグルテンフリーを試してみてはいかがですか?
これだけある「腸に有毒かもしれないもの」
果糖、グルテン以外にも腸内環境が悪化する5つの物質があります。
抗生物質
私たちは少し風邪をひいただけでも医者に行けば抗生物質が処方されます。
それは当たり前のことだと思っていたのですが、抗生物質は腸内の細菌も殺してしまいます。
もちろん、抗生物質が必要な感染症もあるのですが、それ以外であればなるべく飲まない方が良いでしょう。
腸内環境が悪化することによって逆に様々な病気にかかってしまうからです。
そしてもう一つ怖いのは家畜にも抗生物質が与えられていることです。
家畜たちの感染症を防ぐだけでなく、抗生物質を与えると太らせることができるからです。
その家畜の肉は人体にも影響を与える可能性があるので、できれば使っていないものを選んだ方が良いですね。
ピル
日本ではまだそれほど多くはないですが、ピルを長期に服用するとクローン病のリスクが高まることがわかっています。
ピルのホルモンが腸壁を炎症させ透過性が高くなるためではないかと考えられています。
まだ正確な情報はありませんが、どうしても服用が必要な人以外はなるべく避けた方が良いですね。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)
イブプロフェンやナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬も腸壁にダメージを与える可能性があるので、どうしても必要な場合以外はなるべく服用しない方がよいですね。
遺伝子組み換え食品
よく目にする遺伝子組み換え食品ですが、安全性についてはまだ議論されている段階です。
本書では遺伝子組み換え自体が悪いのではなく、除草剤にも強い遺伝子組み換え作物の種を使うことで、大量に除草剤を使うことができるようになる。
その結果、除草剤成分を食べることになり、人の健康に悪影響を与えてしまうということです。
やっぱり遺伝子組み換え食品も避けた方が良いですね。
環境化学物質
世の中にある数えきれないほどの合成化学物質について、健康への影響がまだきちんと調査されていない段階です。
工業用化学物質、農薬成分、化粧品原料、食品添加物、医薬品。
何に気をつければ良いかわからないほどありますが、やっぱり避けられるものは避けた方が良いですね。
第3部 腸から脳をもっと元気にする「実践プログラム」
気持ちのいい腸内腸内環境をつくる「6つの食べ物・食べ方」
腸内を健全にするカギは6つです。
「プロバイオティクス」が豊富な食品を選ぶ
「プロバイオティクス」おは、人体にいい影響を与える細菌が豊富なもののことです。
これはほとんどの方はご存じのことですね。
発酵食品を積極的にとることです。
この本でおススメされているのは生菌入りヨーグルト、ケフィア、キムチ、ザウァークラウト、ピクルス、紅茶キノコのお茶、テンペ、発酵調味料、発酵した肉、魚、卵です。
日本では納豆や漬物、発酵した魚など身近にたくさんあるのでこれらを食べていれば大丈夫です。
「プレバイオティクス」が豊富な食品を選ぶ
今までは「腸内細菌を増やしましょう」と言われていたのですが、腸内細菌にエサを与えることも重要であることがわかってきています。
それが「プレバイオティクス」というものです。
腸内細菌は野菜などに含まれている食物繊維をエサにして体に良い短鎖脂肪酸というものを生成してくれるのです。
短鎖脂肪酸についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
ただ、こちらも難しくは考えず野菜をたくさん食べることを意識するだけで大丈夫ですよ。
炭水化物を減らし、良質の脂肪をとる
小麦などに含まれるグルテンは腸内フローラに損傷を与える。
炭水化物に含まれる糖質は血糖値を上昇させます。
糖質が多く繊維質が少ない食生活は、よくない細菌にエサを与え、腸管の透過性を増し、ミトコンドリアにダメージを与え、免疫系を弱め、炎症を拡大して脳にまで到達する。これがまた悪循環を呼び、細菌のバランスをさらに破壊する。
腸内を健康に保つには以下の食品をとるようにしましょう。
野菜、低糖の実、発酵食品、体にいい脂肪、タンパク質、ハーブ、調味料、香辛料です。
私も普段から実践しているケトジェニックダイエットは脳や腸にも良いようなので継続していきたいですね。
ワイン、紅茶、コーヒー、チョコレートを楽しむ
これらに含まれるフラボノール(ポリフェノールの一種)は人間の食べ物にもっとも豊富に含まれる強力な抗酸化物質です。
紅茶や緑茶に含まれているポリフェノールはビフィズス菌を増加させたり、ココアやチョコレートポリフェノールで血圧を改善するという報告もあります。
コーヒーやワインも腸内細菌には良いので適量とると良いようです。
水道水は濾過して飲む
水道水に含まれる塩素なども腸内細菌をこわしてしまうので、浄水器を通してから飲みましょう。
季節ごとに断食する
断食によって脂肪が分解され生成するケトン体の1つのβヒドロキシ酪酸は抗酸化機能を高め、ミトコンドリアを増やし、新しい脳細胞の成長を促進するということがわかっています。
また、断食によって腸内環境が整うようなので季節ごとに24~72時間の断食をすることを推奨しています。
私は断食よりもプチ断食の方が自分に合っているようなのでこちらを実践しています。
プチ断食に関してはこちらの記事を参考にしてみてください。
人生最高の頭と体をつくる「サプリメント&7日間メニュー」
この章ではプロバイオティクスとその他のおススメなサプリメントを紹介しています。
プロバイオティクスについては以下の発酵食品を食べることを推奨しています。
名前は難しいのですが、実は身近な食べ物なのでぜひ取り入れてみてください。
①ラクトバチルス・プランタラム
これは植物由来の発酵物に多く含まれています。
漬物やキムチの乳酸菌が体に良いと聞いたことはありませんか?
ぬか漬けでも良いので積極的に取り入れたいですね。
②ラクトバチルス・アシドフィルス
ヨーグルトなどの発酵乳製品に多く含まれています。
善玉菌と悪玉菌のバランスを保ち、免疫系を支えてくれるので是非こちらも摂りたいです。
③ラクトバチルス・ブレビス
ザウァークラウト(酢キャベツ)とピクルスに含まれています。
ドイツなどではザウァークラウトとソーセージで食べたりしていますが、最近は日本でも人気ですね。
酢キャベツは酢につけたものではなくて、発酵させたものです。
この最近は細胞の免疫力を高め、キラーT細胞を活性化させて、免疫力を高めてくれます。
補足情報
乳酸飲料の「ラブレ」(ラブレ菌)もこの種類です。最近はラブレを継続的に飲んでいるとインフルエンザの発症率が低くなったという報告もあるようですよ。
④ビフィドバクテリウム・ラクティス
補足情報
「小岩井生乳100%ヨーグルト」にはこの菌が含まれいてます。
このヨーグルトはとてもなめらかで酸味も少ないので私もよく食べています。
⑤ビフィドバクテリウム・ロングム
いろいろ紹介されていますが、免疫やアレルギーなどに効果的なものが多いですね。
コロナやインフルエンザなどに感染しないためにも免疫力は高めておきたいです。
なんだか難しい言葉ばかりでよくわからないわ
あまり難しくは考えず漬物や納豆、ヨーグルト類を食べていれば大丈夫ですよ。
まとめ
いかがでしたか?
アンチエイジングは美容のことだけではなく、脳と体も元気でいることだと思います。
そのためには今からでも遅くはないのでしっかりと腸の力をつけましょう。
腸活はあまり難しく考えずに、漬物、納豆、ヨーグルト類を毎日食べて、腸内細菌のエサになる食物繊維をとることを意識するだけで十分だと思います。
本書は専門的な内容も多いですが、とても参考になるので一度読まれてはいかがでしょうか。
それでは今日はこのへんで。